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組織的な研究者育成体制のご紹介! | 戦略育成事業の5機関それぞれが考えるミニマムセット

組織的な研究者育成体制のご紹介! | 戦略育成事業の5機関それぞれが考えるミニマムセット

なぜ、今、組織単位で若手研究者の育成に力をいれるべきなのか

日本の研究力を支える大きな原動力である若手研究者の数は、この20年間減少し続けてきました。この傾向を解決するためには研究機関における年齢構成の改善とともに、若手研究者の個人の能力開発が重要となります。

しかし、今までの若手研究者育成は担当者や所属研究室に依存する側面が大きく、スキルやリソースが安定しないことで、「継続性」「部局間を跨ぐ連携」「学内での育成ノウハウの蓄積」等、様々な観点で課題がありました。

Researcher+ではこのような課題の解決のため、継続的で組織的な若手研究者育成の仕組みの構築に力を入れております。

組織的に若手研究者の育成に取り組んでいるモデルケースとして、戦略育成事業の5機関それぞれが考えるミニマムセットをご紹介

京都大学L-INSIGHTが考えるミニマムセット

本プログラムは、研究者としての長期目標の達成に向け、持続可能な国際研究ネットワークの構築・強化を核とした3年間の若手研究者育成プログラムです。

フェローは、3年間を通じて、自身の研究分野で将来活躍することが期待される同世代研究者との信頼関係を育み、キャリアを通じて互いに支え合う、将来その研究分野の中核となる国際研究ネットワークの礎を築くことを目指します。

その実現に向け、フェローは申請時に3年間で構築を目指す国際研究ネットワークを構想し、「基幹(世界に学ぶ)」「対話・内省(自分を深める)」「実践(世界とつながる)」の3層のプログラムを往還しながら活動を展開します。海外機関への訪問や国際的に活躍する研究者との対話、担当教員・URAとの面談、名誉教授によるメンタリング、フェロー同士の交流を通じて、異なる分野・世代や各国アカデミアの研究環境、文化的・社会的背景に触れ、多様な視座を得るとともに、自らの研究や社会との関わりを捉え直す力を養います。また、こうした学びや実践を継続的に振り返り、自身の目標や任期中の計画、必要なスキルを整理・言語化することで、次の実践へとつなげます。こうした循環のもと、事務局と学内外の連携パートナーが一体となってフェローの取組を支えることで、研究者としての成長と国際研究ネットワークの形成・発展を促進します。

広島大学HIRAKU-Globalが考えるミニマムセット

本プログラムの組織体制には、プログラム参画大学内での認知度を高めるため、上位の運営組織として理事・副学長等を委員とする運営協議会を設置するとともに、プログラム設計を担う作業委員会を置くことが含まれます。プログラムマネージャーは、英語によるプログラム内容の企画・実施において中心的な役割を担い、一方、URAは業績に関する事項およびデータ分析を担当します。代表機関、共同実施機関、連携機関の協力を確保するためには、事務担当者の配置と、権限・役割の明確化が不可欠です。

プログラム内の主要な取組

プログラムの構成要素は、業績評価、研究資金支援、主要イベント、メンタリングに加え、エンパワメントセミナーやワークショップなど多岐にわたります。参加機関間の連携を図るため、ほとんどのコンテンツはオンラインで実施する一方、直接的なネットワーキングを促進するため、リトリートなどの対面イベントも実施します。また、外部有識者、特に国際的なアドバイザーによる助言は、プログラムの視野を広げる役割を果たしています。

東北大学TI-FRISが考えるミニマムセット

研究分野・ジェンダー・文化のダイバーシティを尊重する理念のもと、若手研究者を組織的・継続的に育成するため東北地域7大学連携の特徴を活かし「中核事務局+参画機関+メンター/アドバイザー」の体制で機能しています。

中核事務局は、プログラム全体の設計、フェローの採用・モニタリング、イベント運営、成果把握・発信を担い、各参画機関は、学内周知、候補者推薦、参加者支援、機関内調整を行います。加えて、メンターやシニアアドバイザーなどが、フェローの要望に応じ研究、キャリア形成、異分野連携、外部資金獲得等を支援します。

コアとなる取組は、①学際研究者交流プログラム、②国際共同研究プログラム、③研究社会実装プログラムです。

大規模な専任組織を前提とせず、既存の研究支援部門やURA機能を活用し、学際性・国際性・社会性の3要素を意識したプログラムで、分野・機関を越えた対話と支援を継続することにより、他機関でも導入可能な研究者育成モデルとしています。

筑波大学TRiSTARが考えるミニマムセット

TRiSTARが考えるミニマムセットは、他機関が限られた人的・財政的資源の中でも導入可能な研究者育成体制の基本モデルです。運営の中心にはプログラム全体を統括するPM(プログラムマネージャー)を配置し、研究者支援を担う支援者(URA等)と事務担当が連携してプログラムを運営します。プログラムの規模によって対象者の選定が必要な場合には、審査委員による審査を経て育成対象となる若手研究者を選定します。国研や企業等の外部機関と連携し、所属機関の範囲を超えた多様な視点からの助言や研究交流の機会を提供します。

本体制では、個別伴走支援や異分野・異業種・海外の研究者が交流するイベント等を通じて、若手研究者の研究を様々な方向へ展開させる機会を創出し、異分野融合や共同研究へ発展させることをコアとしています。ミニマムセットは、プログラムの目的や予算規模に応じて、運営体制の人数や実施する取組を柔軟に組み合わせ、取捨選択できることを前提としており、各機関の特色や資源に応じた導入・発展が可能です。

名古屋大学T-GExが考えるミニマムセット

  T-GExの最大の特徴は、大学や企業に所属する多様な若手研究者が集い、理工系から人社系まで分野を超えて交流できる点にある。こうした交流は、自らの研究の意義や課題を多角的に捉え直す機会となるだけでなく、新たな共同研究の着想にもつながる。また、異分野の研究者の活動や成果に触れることは、研究への意欲を高める重要な動機付けにもなっている。このように、多様性そのものがT-GExの価値の源泉であるため、その理念に沿った「ミニマムセット」を定義することは容易ではない。

 そこで、本提案では、地方大学が分野横断的な交流を確保しつつ、主として自大学の若手研究者を育成することに主眼を置き、プログラム運営に必要な資源を整理した。具体的には、毎年3~4名程度の若手研究者を採用し、5年間の育成モデルを基本とした。これに加え、周辺大学や企業から若手研究者を若干名受け入れ、総勢20名余りのコミュニティを形成する規模を「ミニマムセット」として設定した。

 育成プログラムとしては9つのGP全ての実施を前提としたが、「学術メンター約40名」と「国際的な研究活動を加速するための研究費(600万円程度)」が、運営上、特に大きな資源を要する項目となっている。もっとも、実施機関の目的や状況に応じてGPを選択することで、省力化やコスト削減は十分可能であり、イベントやセミナー、個別支援についても開催場所や講師選定等を工夫することで、効率的かつ柔軟な運営体制を実現できる。

参考資料