ご挨拶

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未来を切り拓く若手研究者の育成に向けて

安浦 寛人PD
(九州大学 名誉教授)

科学の進歩により世界規模で技術革新や社会変革が急速に進み、我が国においても政治・経済・産業など社会の姿が急速に変わっています。第四次産業革命とも呼ばれる新たな社会構造の変革や、地球環境の変化などによる国際的な協調や対立に対応することが求められています。こうした状況の中で、未来へ向けた持続的な成長と安心・安全な社会を実現するためには、人文・社会科学を含むあらゆる科学技術分野でのイノベーションを一層加速させる必要があります。

一方、人口減少の影響により研究人材を大幅に増やすことが難しくなっている今日、優れた研究者を継続的に育成・確保し、国全体の研究力を高めていくためには、若手研究者を取り巻く制度や環境の見直しが欠かせません。単に研究者の能力を伸ばすだけではなく、国際的なネットワークへの参画や分野横断的な発想、そして産業界や社会と連携するための研究者の能力向上への取組が求められています。

文部科学省は令和元年度に「世界で活躍できる研究者戦略育成事業」(以下「育成事業」)とそれを支援する「世界で活躍できる研究者育成プログラム総合支援事業」(以下「支援事業」)を開始しました。我々はこれらの事業を総称して「Researcher+(リサーチャープラス)」と呼称し、世界で活躍できる研究者を育成することを目的に、国際的な研究活動の強化および産学連携や分野横断型ができる研究者の育成活動を支援するプログラムの開発および体系的な若手研究者育成システムの構築を進めております。

令和6年度には、プログラムの開発を行うフェーズⅠからプログラムの改良を行うフェーズⅡに移行し、同時に支援事業の運営事務局が国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)からEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社に移りました。フェーズⅡではResearcher+の育成事業の各実施機関の取組をまとめた「Researcher+研究者育成プログラム・パッケージ」を改定することで、育成事業の実施各機関(京都大学、広島大学、東北大学、筑波大学、名古屋大学)の取組を改めて整理し、プログラムの改良を進めています。また、各機関の取組の中でも特に全国の大学や研究機関に普及したいものをGP(グッドプラクティス)として紹介し、本ポータルサイトを通して、全国の大学等が使いやすい形で普及してまいります。

このようなResearcher+の取組を通して、全国の大学や研究機関において世界で活躍できる研究者を継続的に育成する環境づくりと若手研究者の活動が拡充されることを目指すとともに、産学官が連携して未来を担う研究者の能力開発を支える仕組みづくりを全国へと広げていく所存です。